カテゴリー「☆私的10点満点」の記事

2023/01/22

リード・ホフマン他/大浦千鶴子訳「マスター・オブ・スケール 事業拡大の最強ルール」感想。2022年11月11日読了。

 私的10点満点。

「私がいままで読んだビジネス書の中で、もっとも良い本」

です。

 


特に、スタートアップ企業が為すべきことについての指南書である。

著者はリード・ホフマン(LinkedIn創業者)と執筆サポート2名。

 

LinkedInを知らない人には届かないかも。

この本について知りたければ、「読め」と言うしかない。

 

10点/10点満点

10点の真意は9.5点⇒コロナ以降、ビジネスのやり方が急速に変わっている。その変化「後」も通用するならば10点満点。通用しなくても、現時点の分析として9点、いずれにせよ素晴らしい本だ。

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2020/12/31

清水潔「殺人犯はそこにいる」感想。ルポ。2020年06月23日読了。

 

本書は2013年に出版され、2016年に文庫化された。
私はこの本の存在を知らなかった。

 

だが私はこの本に辿り着いた。僥倖である。

 

構成は甘い。疑問点がいくつも浮かび上がる。犯人に行きついた過程を公開できないのは、最初に書くべきだと思う。

 

だが、それでも、本書は素晴らしい。超一級のルポだ。

 

10点/10点満点

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2020/01/04

ヤニス・バルファキス/関美和訳「父が娘に語る経済の話」感想。経済。2019年03月29日読了。10点/10点満点

 

著者はギリシャ経済危機(2015年)の時のギリシャ財務大臣。
原著はギリシャ語で書かれ(たぶん2013年)、英訳がたぶん2014年、英訳をもとに日本語版が2019年に出版された。

 

本書の面白さはあちこちに書かれているので、ここでは特記しない。
強制収容所ではタバコが貨幣と同じ働きをした、という部分は、貨幣経済を知るうえでとても分かりやすい例と思う。

 

陳腐な感想ではあるが、良い。またしても10点満点を付ける。

 

10点/10点満点

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金成隆一「ルポ トランプ王国」感想。2019年03月12日読了。10点/10点満点

 

2017年に出た本。
私的10点満点。
こういう良本を読み逃していたことは痛恨である。

 

本書は、2012年の選挙で共和党が負け、2016年のトランプが勝った6州のうち、フロリダ州を除くラストベルト(Rust は「錆びた」の意)オハイオ州、ペンシルベニア州、ウィスコンシン州、ミシガン州、アイオワ州の5州を中心に、大統領選の前年2015年から取材を進めてきた内容をまとめた本。

 

これらの州は労働組合が強く、民主党の地盤だった。なぜ多くの住民が共和党のトランプに鞍替えしたのか、各地を丁寧に回り、市井の人々の声を拾い、そして一定の結論を導き出す。

 

とても良い。

 

10点/10点満点

 

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2020/01/03

ハンス・ロスリング(&オーラ、アンナ)/上杉周作・関美和訳「FACTFULNESS」感想。世界を現す客観データ。2019年01月26日読了。100点/10点満点

 

(2020/1/4修正)

 

10点満点で100点。我が読書人生史上、最高の一冊(のひとつ)。

 

思い込みや先入観を排除し、数値で世界を見ると、今の世界はいったいどういう状態なのか。を記した本である。各所で大絶賛されているので、詳しい内容は省く。

 

例)
スウェーデン。福祉大国である。政治的には社会民主主義(基本的には多数決=民主主義を採用しているが、高齢者や弱者救済のため高い税金を課し、富の分配を図る=社会主義的な要素を多々採用している政治制度)。
1800年代から1966年ころまで、スウェーデンは極度の貧困層が多く、人口の1/5が国外(主にアメリカ)に逃げ出した。戻ってきたのはそのうち2割。

 

1997年の段階で、インドと中国の極度貧困率はどちらも42%。2017年にはインド12%、中国0.7%と劇的に改善された。

 

まだ読んでいない人は、本屋や図書館で手に取って、冒頭のクイズ13問(p9-p13)をやってみることをお勧めする。いかに自分の頭が先入観で溢れかえっているのかが分かる。

 

100点/10点満点

 

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2019/01/05

小泉宏之「宇宙はどこまで行けるか」感想。
サイエンス。2018年11月12日読了。

人工衛星のエンジン・エンジニア(東京大学大学院准教授)である著者が、ロケットの仕組みと人工衛星のエンジンの仕組みを詳しく解説し、今の技術で人工衛星はどこまで行けるのか、これからの技術でどこまで行けるのか、を解説した本。ブルーバックスじゃなく、中公新書である(珍しい)

私的10点満点。

但しこれは、私の興味の対象にドンピシャに当てはまったからであり、宇宙に関心がないが読んでもそれほど面白くないかもしれない。

文章はうまいので、宇宙に関心がある人なら結構楽しめると思う。


10点/10点満点

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ルチル・シャルマ/川島睦保訳「シャルマの未来予測 これから成長する国 沈む国」感想。
世界経済予測。2018年08月05日読了。

私的10点満点。素晴らしい。

詳細は(気が向いたら)追って記載。


10点/10点満点

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2017/08/25

R.D.ウィングフィールド/芹澤恵訳「フロスト始末(上)」感想。
多重発生事件解決ミステリ。2017年07月12日読了。

フロストシリーズ最終巻。

なぜ最終巻かというと、著者が亡くなったから(2007年)。

本書が出版されたのは著者逝去後の2008年。日本語版は2017年(今年)6月に出版。

出版社もフロストシリーズを引っ張りに引っ張ったってことです。


で、今までのフロストシリーズの中でも最高の出だし(上巻ですので)。


私がフロストシリーズのファンということもあるけど、これは面白い


10点/10点満点

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2017/01/17

墓田桂「難民問題 イスラム圏の動揺、EUの苦悩、日本の課題」感想。
国際情勢分析。2016年11月11日読了。

2016年2冊目の10点満点

◆内容(Amazonより)
2015年9月、トルコ海岸に漂着した幼児の遺体は世界に衝撃を与えた。
シリアなどイスラム圏出身の難民を受け入れる輪が、ドイツを中心に広がる。
だが11月のパリ同時多発テロをはじめ、欧州各国で難民と関係した事件が相次いで発生。
摩擦は激化し、EU離脱を決めた16年6月のイギリス国民投票にも影響した。
紛争や弾圧に苦しむ難民を見過ごして良いのか、しかし受け入れる余裕はない――欧州の苦悩から日本は何を学ぶか。

【目次】
第1章 難民とは何か
1 歴史のなかで
2 保護制度の確立へ
3 21世紀初頭の動向

第2章 揺れ動くイスラム圏
1 アフガニスタンからの連鎖
2 「アラブの春」以降の混乱
3 脅威に直面する人々
4 流入に直面する国々

第3章 苦悩するEU
1 欧州を目指す人々
2 限界に向かう難民の理想郷
3 噴出した問題
4 晴れそうにない欧州の憂鬱
5 問題の新たな展開

第4章 慎重な日本
1 難民政策の実情
2 シリア危機と日本
3 関連する課題と今後の展望

第5章 漂流する世界
1 21世紀、動揺する国家
2 国連の希薄化、国家の復権

終 章 解決の限界


◆感想
読み終わった後Amazonレビューを見たら、けっこう評価が分かれている。総合では★4つだけど、★1つや★2つの評価もある。

私は10点満点をつけた(Amazon基準だと★5つ)。

難民という概念はどこから始まったのか。本書では紀元70年のユダヤ戦争(ローマ帝国vsユダヤ)から説明を始めている。

第一次世界大戦後に、国際赤十字委員会(ICRC)からの要請で国際連盟が難民を保護する活動を開始。国際連盟が国際連合に代わり、現在の国連難民高等弁務官へと発展し、パレスチナ難民への対処が本格的な第一歩となる。

現在のシリアにつながるイスラム圏の動乱に関しては、ソ連のアフガニスタン侵攻(1979年)が端緒であったとし、そこからシリアまで一気に話を持っていく。

イスラム系の難民がなぜEUに行きたがるのか。EUはなぜ大勢の難民を受け入れたのか。EU加盟国間で意思にずれがあるのはなぜか。

そしてそれらを鑑み、日本の過去がどうであったのか(ベトナム戦争のボートピープル)、現在の対応はどうなのか、未来はどうすべきなのか。

これらを新書の枠の中で、削るべきところはばっさり削り、難しすぎず易しすぎない、著者の主張したいところはきちんと主張する。

この手の本を何冊か読んでいる私にとって、復習を兼ねながら新しい知識を得られる、実にちょうど良い本であった。

素晴らしい。


10点/10点満点


のだが、この本を読んだ後の2016年末に、NHK-BS世界のドキュメンタリー「オーストラリア 難民“絶望”収容所」を見たら、ちょっと印象が変わってしまった。

オーストラリア(豪州)は、現在世界で最も過激な難民排除政策をとっている。Newsweekの関連記事

例えばミャンマーのロヒンギャ族(仏教国ミャンマーのイスラム教徒・少数派・アウンサンスーチー政権下でも軍や警察に弾圧されている)が船にすし詰めになってオーストラリアに来る。オーストラリアは難民受け入れを拒絶し、パプアニューギニアのマヌス島または太平洋の島国ナウルに設置した難民センターに強制収容している(両国にはオーストラリア政府から数十億円の金が払われている)。難民の選択肢は自国へ戻るか、難民受け入れ提携をしたカンボジアに移住するかの二択(カンボジアも大金を受け取っている)。拒否すれば難民センターにただ居るだけ。仕事もなく、食事や医療も満足とはいえない環境で、難民の子供に教育すら受けさせない。難民は、いつ難民センターを出られるか分からない(二択を拒否したから)。自分の前途に絶望した難民が自殺しても、オーストラリア政府は対策を取らない。

難民センターで働く職員やボランティアは、難民センターで見聞きしたことを一切口外してはならない。口外すると禁固2年の実刑判決を受ける。このドキュメンタリーは、口外すると実刑判決、という法改正がなされる前に隠し撮りされたものである。

このことについて本書ではp224で軽く触れられているが、オーストラリア政府は億円単位の金を使ってまで難民をどうにかしようと思っている(但し自国には入国させない)という見方もある。難民問題のオフショア化(≒アウトソーシング)とのこと。それは確かにそうだな。

難民問題は難しい。なので10点満点の評価は変更なし。

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2016/03/06

サイモン・シン/青木薫訳「暗号解読(下)」感想。
ノンフィクション。2016年01月16日読了。


インターネットの「公開鍵」と「暗号鍵」の意味が分からない人へ。


本書を読めばその理論が全て分かる。ベリサインの存在理由も全て分かる。


私は今までインターネット公開鍵の意味をよく理解できなかったが、


本書を読めば完璧に理解できた!


プログラマは本書を絶対に読め! というくらいの名著。素晴らしい。脱帽。


原著サイモン・シン、翻訳青木薫 の組み合わせは名著ばかりだ。


10点/10点満点

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