高野和明「ジェノサイド」感想。
SFクライムサスペンス。2012年06月28日読了。
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このミステリーがすごい2012年版 第1位
本の雑誌2011年上半期ベスト10の 第1位
第65回日本推理作家協会賞受賞
という華々しいタイトルを持つ本書。
詳しくは角川書店が作っている「高野和明ジェノサイド特設サイト」へ。
高野和明作品は、江戸川乱歩賞受賞のデビュー作「13階段」だけ読んだことがある。「13階段」を読んで、これは期待できる新人だなあ、と思ったが、ちょうどその頃(2001年)から私の読書傾向が、小説からルポ、ドキュメンタリー、ノンフィクション(と普通の旅行記)にシフトしていったため、結局「13階段」しか読んでいない状態のまま今日に至る。
それはそれとして、今年も「ぴあ」の株主優待で5000円分の図書券が貰える季節になった。5000円である。文庫や新書を7~8冊買うも良し、マンガを12冊買うも良し、さてどうしようかと思っていたが、本書を含めて単行本を3冊買ってしまった。
ベストセラーの本書なので、古本で買おうと思えば買えるけど、(今まで何度か当ブログに書いていますが)良かれ悪しかれ感想をブログに書く以上は、著者と出版社に対してきちんと対価を払った上でなければならない、と言うのが私のスタンスですので、本書を新刊で買ってしまいましたのですよ。
で、本書は1日で読み終えた。
◆◆◆◆◆以下、ネタバレ有り◆◆◆◆◆◆
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設定からくる「御都合主義的展開」や、設定消化不良の部分(日本人傭兵がなぜ選ばれたのか?)とか、そもそもやっぱりアメリカ軍のリモコン爆撃機プレデターを乗っ取ってXXXXを抹殺できるのなら、この計画事態を中止に追い込むことや、そもそももっと安全に脱出する方法があったんじゃね?
などなど不満は尽きぬが。
まあでも、私が暇人と言うことを差し引いても、1日(正確には9時間くらい)で読み終えてしまうくらい、ぐいぐいぴっぱるストーリー展開は見事。
娯楽小説を堪能しました。
ちなみにamazonレビューで1点や2点を付けている人の多くに、対朝鮮の歴史観に起因する作者の理解不足が挙げられているが(要するに、朝鮮贔屓の歴史観を押しつけるんじゃねーよ、っていうネトウヨ的な反感)、そんなん、娯楽SF冒険小説なんだから、大騒ぎするよーなことじゃねーじゃん、と私は思うのでした。
この小説に出てくる医薬品開発の工程で、ソフトウェアを使ってどうのこうの、受容体がどうのこうの、と言う記述に対して違和感をもった人へ。
医薬品の開発とは、世界中の土を採取しその中から菌を取り出し培養し、医薬品として使えそうな菌を地道に探すもの……この方法はとても古いやり方なのだそうだ。
今はコンピュータで病気の原因となるタンパク質の構造を解析し、欠陥タンパク質(受容体)の穴を埋めるような物質を化学的に作ること、これが医薬品開発の主流なのだそうだ。
佐藤健太郎「医薬品クライシス」にそういうことが書かれていた。興味があれば読まれたし。
9点/10点満点
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