蔵前仁一「わけいっても、わけいっても、インド」感想。
インドアート探求紀行エッセイ。2012年04月17日読了。
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インドの奥地に住む先住民アディヴァシが描くミティラー画。
それを見るため、観光地じゃないインド各地を旅する蔵前仁一夫妻。蔵前氏は出版社「旅行人」の経営者で、雑誌「旅行人」の編集長で、イラスト紀行エッセイスト。
出版社「旅行人」に掲載されている本書の案内。
日本にある「ミティラー美術館」公式ホームページ。そこに掲載されているミティラー画と、もう一つの先住民アートワルリー画。
世界一周旅行に出発する前に買った本なのに、2年半もほったらかしの積ん読。ようやく読んだ。
本書は半分が写真で、半分がミティラー画のルーツを辿ったりする紀行エッセイ。
インドのコルカタから列車に乗ってビハール州のサマステプルという街に行き、リキシャでバス停に行って、マドゥバニ行きのバスに乗ったけど、川が増水でバスは渡れないから小さなフェリーボートに乗り変え川を渡り、対岸で待っていた乗り合いオートリキシャでラリアスリという街に行き、ここからまたバスに乗ってマドゥバニと言う、ミティラー画発祥の地に着いたのだった。コルカタから19時間の旅だった。
なんていうのを最初の2ページでさらりと書いている。
ビハール州というのはインドの中でも貧しい地域で、マドゥパニでは電線が切れて停電になっても数ヶ月は放っておかれるらしい。でもマドゥパニは停電になれるだけましな地域ともいえる。
と、マドゥパニの人は言っていた。
という、ユーモア溢れる感じで、蔵前夫妻はインドの奥地を「ずんずんずんずん」進んでいく。
本書自体は、インド旅の達人蔵前仁一ですら知らなかった新たなインド(勝手に道案内をしてチップを受け取らない親切なインド人がいるインド)を、魅力たっぷりに紹介されていて、とても面白かったのである。
ただ私はミティラー画という絵画自体にあまり興味を持てなかったため(個人的にはアフリカンアートの方が好みである)、点数をちょっとだけマイナスしてしまったが、インドが好きな人なら堪能できるだろう。
8点/10点満点
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