カテゴリー「◇データブック・記録集」の記事

2020/01/03

ハンス・ロスリング(&オーラ、アンナ)/上杉周作・関美和訳「FACTFULNESS」感想。世界を現す客観データ。2019年01月26日読了。100点/10点満点

 

(2020/1/4修正)

 

10点満点で100点。我が読書人生史上、最高の一冊(のひとつ)。

 

思い込みや先入観を排除し、数値で世界を見ると、今の世界はいったいどういう状態なのか。を記した本である。各所で大絶賛されているので、詳しい内容は省く。

 

例)
スウェーデン。福祉大国である。政治的には社会民主主義(基本的には多数決=民主主義を採用しているが、高齢者や弱者救済のため高い税金を課し、富の分配を図る=社会主義的な要素を多々採用している政治制度)。
1800年代から1966年ころまで、スウェーデンは極度の貧困層が多く、人口の1/5が国外(主にアメリカ)に逃げ出した。戻ってきたのはそのうち2割。

 

1997年の段階で、インドと中国の極度貧困率はどちらも42%。2017年にはインド12%、中国0.7%と劇的に改善された。

 

まだ読んでいない人は、本屋や図書館で手に取って、冒頭のクイズ13問(p9-p13)をやってみることをお勧めする。いかに自分の頭が先入観で溢れかえっているのかが分かる。

 

100点/10点満点

 

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2014/11/13

豊浦彰太郎「ビジネスマンの視点で見るMLBとNPB」感想。
野球本。2014年10月27日読了。

とある野球ブログがある。セイバーメトリクスを駆使してMLBの魅力を紹介し、その能力をNPBの選手分析にも活用している。

日本でも有名になってきたのが、
打者の指標であるOPS(出塁率と長打率を単純に足したもの)、
投手の指標であるWHIP(被安打数と与四球数を足した数値を投球回で割ったもの)、
である。

出塁率は、ヒットがあまり打てないバッター(=低打率)でも、選球眼がよければ高くなる。もちろん、ヒットをたくさん打つ(=高打率)なら、ますます高くなる。
長打率は、ヒットがあまり打てないバッター(=低打率)でも、ホームランバッターなら高くなる。打率はホームラン50本とヒット50本の価値が同じだが、長打率なら価値が4倍になる。

OPSは二つの数値を足すことによって、両方の長所を、つまり選球眼もよく長打も打てるバッターを選ぶ指標である。それはつまりチームの得点に貢献する確率が高くなるということを意味する。

OPSは、
0.850を超えるとかなり優秀、
0.900を超えると超優秀、
1.000を超えると歴史的なレベルで優秀、である。


WHIPは、1イニングあたり何人の走者を投手の責任で出したか、を表す数値である。死球とエラーで出た走者は含まない。

1イニングに出す走者が少ない方が、得点される可能性は当然低い。走者と得点に強い相関関係がある(当たり前)ので、走者と出さない投手は素晴らしい。そういう指標である。

WHIPは、
1.100を下回ると優秀、
1.000を下回ると超優秀、
0.950を下回ると歴史的なレベルで優秀、である。

ダルビッシュのMLB3年間の通算WHIPは1.20で、平均以上の評価。(NPB時代は0.98で超絶レベル)
岩隈のMLB3年間の通算WHIPは1.09で、リーグを代表する投手という評価。(NPB時代は1.20で、MLBに行ってからの方が凄みを増している)

2013年の上原浩治は0.57で、全米のセイバーメトリクスファンが狂喜乱舞したほど、歴史的な記録である。


で、セイバーメトリクスはまだまだ発展途上で、これが決定版!という数値はない。上記二つの指標も、OPSなどは「異なる分母で割った数値を単純に足すというのはなんの意味があるのか?」とか、WHIPに死球を含まないのはおかしいのではないか?など、異論も多々ある。

ので、全世界のセイバーメトリクスファンは、自分の作った指標をどんどん発表しているのである。


で、私は、セイバーメトリクス系のブログでたぶん日本で上位5傑には入るであろう野球ブログ(1日5回くらい更新している)を毎日読んでいる。

そのブログ主が本書を宣伝していたので買った。


すっかすかな内容だった。

700円の新書でも4点くらいしか点けられない内容なのに、本書は1800円(+消費税)もした。

誤字もたくさんあった。

自費出版なのかも知れない。


で、私は本書の紹介元であるブログに対して、こんな本を紹介するレベルだったのか、と大きく落胆しているのである。


2点/10点満点

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2007/03/28

佐藤拓「1万円の世界地図 -図解-日本の格差、世界の格差」感想。
データブックに近い。2007年03月26日読了。

1万円の世界地図(祥伝社新書 ) 図解日本の格差、世界の格差
佐藤拓 /祥伝社 2007/03出版 260p 18cm ISBN:9784396110635 ¥819(税込)

1万円がどの程度の価値を持っているのか、を皮切りに、世の中のいろんなことをデータで示す本。

見開き右ページに解説、左ページにグラフが必ず載っている構成で、全部で109ネタの様々なデータが掲載されています。前出のデータブック・オブ・ザ・ワールドは凄まじい量のデータが並んでいる本で、そこからいろんなデータを引っ張り出すのは、まさしく調べる行為になります。本書は、調べることが面倒な人たちに代わって、読者が興味を持ちそうなネタ(1万円という切り口から始まる)に関しいろいろと調べた結果が掲載されている本です。



初っぱなに出てくるのは、
・1958年と2005年を比べて、国内の物価はどの程度上がったのか?
新聞購読料、週刊朝日、食塩1kg、砂糖1kg、あんぱん、チキンラーメン、江戸前すしの外食、天丼並の外食、カレーライスの外食、を比較しグラフを掲載。


国内編が続いた後は世界との比較。
・世界各国の消費税率は何%?
デンマーク、スウェーデン、ノルウェーは25%、フィンランド22%、アルゼンチン21%、タンザニア20%....日本の5%はかなり低い方。

・成人識字率が低い国は?
ブルキナファソ13%、ニジェール14%、マリ19%、チャド26%、シエラレオネ30%、ベナン34%....世界平均78%....先進国平均100%

などなど。地理好きには結構良いネタいっぱいです。

でもこの本の主眼(?)はいろんなデータの掲載とその解説にとどまっています。
新書なんだからもうちょっと突っ込んだ解説がほしかったなあ、という意味で辛口採点。

5点/10点満点

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2007/03/27

「データブック オブ・ザ・ワールド2007年版」感想。
教材と思われる。2007年03月27日散見。

データブックオブ・ザ・ワールド vol.19(2007年版)
二宮書店 2007/01出版 479p 21cm ISBN:9784817603005 ¥649(税込)

また今年も買ってしまいました。

毎年毎年買ってもそんなに中身は変わらないけど、でも少しの変化の積み重ねが地理を知るには大切なことだと思うのです。まあ単に地理好きだから買っているだけなんですけど。


で、去年も書いたのですけど、私はVol.1から揃えようとネット古本屋を探し回っています。Vol.1~2、Vol.5~19まで買いましたしかしVol.3~4がまだ買えていないので、誰か持っている方、売ってください。定価+送料で買います。

9点(内容が充実しているから)/10点満点

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2006/11/13

一橋総合研究所「図解革命!業界地図最新ダイジェスト2007年版」感想。
ビジネスデータブック。2006年11月12日眺了。

図解革命!業界地図最新ダイジェスト 2007年版 <br />
一橋総合研究所 /高橋書店 2006/09出版 159p 26cm ISBN:4471666924 ¥1,050(税込)

またこの手の本を買ってしまった。
毎年買ったって書いてある中身にそう大差があるわけでもない。しかし何故か毎年この手の本が出る度に、書店で各社の本を見比べ、今年はこれがベスとかな、と思うものを買ってしまうのである。

この手の本の良いところを探すとすれば、株式投資の判断のネタになるということと、雑学知識が増えると言うことぐらいか。

まあ結局のところ、こういう本を毎年買ってしまっているから我が家の本棚が爆発してしまうのだな。


5点/10点満点

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2006/03/08

「データブック オブ・ザ・ワールド2006年版」感想。
教材と思われる。2006年03月07日散見。

データブックオブ・ザ・ワールド Vol.18 2006年版
二宮書店 2006/02出版 479p 21cm ISBN:4817602384 ¥649(税込)

世界情勢について書かれた本を色々読んでいると、客観的なデータを知りたくなってくる。かの国の面積はいかほどなのだろうか、かの国の人口増加率はいかほどなのだろうか、かの国の工業生産高はいかほどなのだろうか、などなど。

で、結局毎年「世界地図 JTB2006年度版」などのムック本を買ってしまうのだ。

それで物足りなくなり、世界の動き社から出ている「世界の国一覧表」を買ったりもしていたのだが、遂に凄い本を発見したのだ(発見したのは一昨年)。それが二宮書店から出ている「データブック オブ・ザ・ワールド」。毎年毎年最新データを取り入れ出版している。2006年版はVol.18。18年も出版し続けていることになる。しかも476ページみっちりデータが詰まっていながら650円である。まあ値段の安さから考えるに、中学か高校の社会科の副教材として使われている物なのだと思う。私が中高生の時にも、似たような別の教材があったはずだが、当時は見向きもしなかった。いい大人になった今、好きこのんで金出してこういう本を買っている。人生わからんもんだ。

まあそうはいっても、むき出しのデータの羅列っていうのは、じっくり眺めて分析する時間があれば面白いのだが、結局時間がなくて、やっぱりムック本を買ってしまう。それはそれで仕方のないことなのだが、だからといって本書「データブック オブ・ザ・ワールド」の価値が下がるわけではない。なんといってもコストパフォーマンスが素晴らしいったりゃありゃしない。

ちなみに私はVol.1から揃えようと、古本屋を探し回っている(ネットでだけど)。Vol.2~4がまだ買えていない。誰か持っている方、売ってください。定価+送料別で買います。

9点/10点満点

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2006/02/19

「オフィシャルベースボールガイド2006」感想。
データブック。2006年02月19日散見。

オフィシャルベースボールガイド2006 プロ野球公式記録集
日本野球機構
共同通信社 2006/02出版 609p 21cm ISBN:4764105691 ¥2,900(税込)

プロ野球が好きな私は、この本を10年以上買い続けている。あいつ後半戦やたら活躍したけど、通年成績はどうだったんだ?とか、あのタイトルは誰が取ったんだっけ、というのを調べるのにとても役に立った。結構値段が高いけど、内野指定席で試合見に行くよりは金かからないから、毎年買っていた。
でも、インターネットでプロ野球データベースが無料公開されるようになってきた今、本書はその役割を失ってきている。あと5年して、地上波デジタル放送が本格普及すれば、本書のデータはテレビのリモコン操作で得られるようになるのかもしれない。ちょっとだけ寂しい。

5点/10点満点

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