瀬戸晴海「ナルコスの戦後史」感想。2023年6月24日読了
麻薬取締官だった著者が、ナルコス(麻薬組織)の歴史について記した本。
だったのだが、後半は「麻薬はいかん」「大麻が入り口になるので、大麻解禁などもってのほか」的な論旨に変わってしまい、なんだか残念。
6点/10点満点
麻薬取締官だった著者が、ナルコス(麻薬組織)の歴史について記した本。
だったのだが、後半は「麻薬はいかん」「大麻が入り口になるので、大麻解禁などもってのほか」的な論旨に変わってしまい、なんだか残念。
6点/10点満点
いつも行く本屋で立ち読みして、出だしが面白かったので買った。
本書は面白かった。もしかしたら、著者の作品で一番売れる本になるのでは。
以下感想。
私はマンガが大好きで、マンガは編集者と作るもの、という理解はあった。
だが小説の世界でもそうなっていたとは驚いた。
本書に書かれているのは、エンタメ系小説の世界(その作家リストに熊谷達也(P38)が含まれているのは意外だったが)でも同様のことが起きており、小説執筆も編集者の意見がそれなりに重要であり、編集者の意見にある程度沿った内容で書かなければ出版してくれない。出版しても売れない状態が長引けば、執筆依頼すら来なくなる。売れない小説家平山瑞穂(本書の著者)には、もう出版社から小説執筆の依頼が来ない。
自由に書かせてくれた時もあれば、書籍編集者の指示に従った時代もあり、逆らった時代もある、結果としてほぼすべての小説が売れなかった著者。本書は、回想と反省と愚痴と若干の恨みで構成されている。
のだが、私的には面白く読め、痛快ですらあった。新潮社や角川はもう相手にしてくれないんだ、だったら(本書の版元)光文社で暴れてやる。
著者はもう商業小説家としての道を諦めたのかもしれない。じゃなければ、ここまであけすけな本は書けない。と思う。という意味で本書は、暴露本と同等レベルで面白かった。
ただ、まあ、私が著者の小説を読むことは無いかな(本書では、著者の自著を何冊も紹介しているが、どれもこれも「読みたい」と思わせる内容ではなかった)。
※どうでもいいが、マンガの世界でも「今、売れているジャンル」を模倣した作品をよく見た。今なら「転生したらスライムだった件」の亜種が山もりもりに出てくる。いわゆる異世界ものだ。あの亜種を書いている人たちは、3年後生きているのかね?(「葬送のフリーレン」は亜種じゃない方向性で成功した例だと思う)
8点/10点満点
アジア:高所得:シンガポール・韓国・台湾
アジア:中の上:マレーシア・中国・タイ
アジア:中の下:インドネシア・フィリピン・インド・パキスタン・バングラデシュ・ベトナム
中南米:高所得:アルゼンチン・チリ
中南米:中の上:ブラジル・メキシコ・コロンビア・ペルー
旧ソ連圏:高所得:ポーランド
旧ソ連圏:中の上:カザフスタン・ロシア
中東アフリカ:高所得:サウジアラビア
中東アフリカ:中の上:トルコ・イラン・イラク・アルジェリア
中東アフリカ:中の下:エジプト
サハラ以南:高所得:なし
サハラ以南:中の上:南アフリカ
サハラ以南:中の下:ナイジェリア
この29か国に関し、経済、福祉、民主化、政治体制、発展の条件、国際関係などの面から分析を行ったのが本書。
新書のボリュームで29か国も扱い、かつテーマも6個以上ある。
説得力を持たせるために図表を多用しているが、データ元は信頼できるところから引っ張ってきているものの、著者オリジナルの会社くくぉ加えた図表に加工しているため、説明を読んでも、なにを現した数値かわからないことがままあった。(立ち読みできる場合、24-25ページの表を見ると私の言いたいことがわかるのではないかと思う)
資料として役に立つ部分も多い反面、扱う幅が広すぎて堀が浅い印象も強い。一言でいうと「残念な本」である。
6点/10点満点
日本人の年収は安くなってしまいました、の実例を紹介(12ケース)し、最後の50ページで著者の考えをまとめた本。
著者の言いたいことは分かる。
だが本として駄目だ。
P28
さっきの板チョコですけど、フェアトレードで有名な「ピープルツリー」のチョコなんです。だから、板チョコが1枚350円もするんです。税込みだと388円かと思うと、買いえないなぁ。
P33
だからチョコレートだって、本当はフェアトレードの「ピープルツリー」を買いたいけど、税込みで388円もするから、明治やロッテの板チョコを底値で買うんです。
まったく同じ話(インタビュー)がわずか5ページ後に出てくる。この節に限らず、こういう冗長(水増し)な記述がやたら多い。
書籍編集は仕事をしているのか?
5点/10点満点
本書は週刊新潮に連載されたコラム(記事?)を一冊にまとめたもの。
本書の評点を辛くつけているのは、読んだことのある話が多かったから(週刊新潮から(たぶん)Yahooに転載された記事を私は読んでいたように思う)。
本書の内容はデイリー新潮のこの記事に詳しい。
橘玲氏が書く内容は、話の要点そのものが「身も蓋もないけど、おっしゃる通り」なので、言い回しは違うけど既視感がある話ってのが多い。なので、金を出して本を買うんだから何か違う話をもってきてくれよと思うのだが、今回に関しては既視感のある話の方が多かった。ので辛め評点。
そういう評価基準で良いのか? と自問自答中。
5点(既読が多かった)/10点満点
ロシアがウクライナに軍事侵攻(2022年2月18日)する前に出た本。
廣瀬陽子センセが「ハイブリッド戦争」を出版した後に書いた記事(現代WebかWedgeかJBpressかそのあたり)に本書を参照していて、ゆえに買った。買ってから積読。積読してから1年以上経ち、ようやく読んだ。
著者自身がロシアの兵器オタクであるとあとがきに書いている。本書には、ロシアの兵器や装備の機種名、軍の部隊名や地名を事細かに書かれているのだが、細かすぎて響いてこない。たぶん、この本で得られた反省をもとに、ロシアの軍事侵攻に関する論点を分かりやすくしたので、テレビに出てくるようになったのかな。
対照的に、廣瀬陽子センセや佐藤優氏(と私)は「いくら何でもプーチンがあそこまで馬鹿だと思っていなかった」ので、的外れな分析になっちゃったのかもなあ。
6点/10点満点
著者は1971年に横浜中華街で生まれた台湾(中華民国)人。
著者の父は1950年代に留学生として来日。
著者の母は4人の子供をつれ、1964年に日本に移住。
著者の両親は日本を終の棲家と決め、暮らしが安定し、著者が日本で生まれた。
1972年に日本と中国(中華人民共和国)の間に国交が結ばれ、日本は台湾(中華民国)と断交。著者は無国籍となる。
著者の両親は台湾に戸籍があるので、(日本から)台湾に入国する際、何の問題もなかった。
しかし著者は、台湾に戸籍が無い(日本で生まれたから)ため、台湾に入国するにはビザが必要だった。
ここから著者は、本書のタイトルである「無国籍と複数国籍」について考察、調査、研究を重ねた。
プロローグ(概ね上記)を読み即買い。
だが読み進んですぐに、個別のケース紹介が延々と続く展開となり、「そうじゃないだろ、もっと大きな話にしないと」と思うことしばしば。消化不良。題材は良いだけに、なぜこういう構成になってしまったのか残念である。
6点/10点満点
講談社の現代Webを毎日読んでいる。(JBpress、東洋経済オンライン、ダイヤモンドオンライン、WEDGE、ビジネスインサイダー、プレジデントオンライン、ForesightもRSSリーダーに登録して毎日読んでいる)
最近の現代Webの特徴として、イチオシ新書のダイジェストを毎日毎日配信する。感覚的に、発売3日くらい前から配信を開始し、発売直後2週間は毎日配信、その後3日に1回くらいにペースが落ちるも、2か月くらいずっと配信される。
2023年1月は「ほんとうの定年後」「年収443万円」「未来の年表」が劇推し中である。
本書は2022年初頭に激推しされていて、それで買った本である。
タイトルから類推される以上の内容は無く、だが
タイトルから類推される内容はそこそこ網羅されており、でも
扱う幅を広げすぎたため内容がとっ散らかってしまっている(特にストーリー仕立てにしているところ)ので、私的には残念な一冊。
金融危機について全く予備知識が無い人が読んだら、それなりに教養を得ることができると思うが、「広く浅く」金融危機について書かれているため、私にとっては「浅い」部分が目立ってしまった。
なんというか、需要と供給の関係で生まれた本、という感じ。
6点/10点満点
◆本書の内容(amazonから引用)
・「女性嫌悪」に走るモテない男たち
・ナンパ師が手にし損ねた「ほんとうの愛」
・道徳的な「モテ戦略」とは
・「寝てるだけでお金を貯めた」天才の極意
・ブラックジャック必勝法は存在する
・ノーベル経済学賞の先を行け
・ギャンブルは「向精神薬」
・大学生の50%が「ネット中毒」
・「ちがう自分」という強迫観念
・「自己実現した主体」が幸福をもたらす
・トランスヒューマニズムと「優生学2.0」
・「寝そべり族」はなぜ生まれたか
・自己啓発としての「ミニマリズム」
・「ストア哲学」は究極のメンタル術 ……ほか
◆引用終わり
橘玲氏の本なので、いつものように身も蓋もない有益な話がてんこ盛りである。
個々の節(上記引用参照)は2~3ページになるように書かれており、Web系の読み物に慣れた人が「読みやすい」と感じる量になっている。
意図的にそういう構成にしたのかは分からないが、全体的にまとまりがない印象を受けた。
強烈な印象を残したのは、P255
「ノーベル平和法を受賞したムハマド・ユヌスのマイクロクレジット(グラミン銀行)も、「所得、消費、健康、教育にほとんど(またはまったく)効果を及ぼしていない」として、「証拠の信頼性が低いもっとも痛烈な例のひとつ」だと批判されている」
という箇所で、「貧困を食い物にする系」の告発ルポを多数読んでいる私には既知のことだが、橘玲氏の著書にこのこと(グラミン銀行は過大評価されている)が記載された意義は大きい。
7点/10点満点
00◆成田やトランジット(JFK・パリ・マドリッド) 01◆ブラジル(サンパウロ・サンルイス・レンソイス・マナウス) 02◆アルゼンチン(イグアス・カラファテ・ウシュアイア・ブエノス) 03◆チリ(サンチャゴ・イースター島・バルパライソ) 04◆ボリビア(ラパス・ウユニ) 05◆ペルー(クスコ・マチュピチュ・リマ) 06◆エクアドル(グアヤキル・ガラパゴス諸島) 07◆スペイン(マドリッド・バルセロナ) 08◆トルコ(イスタンブール・カッパドキア・パムッカレ) 09◆ヨルダン(ペトラ遺跡・アンマン) 10◆シリア(ダマスカス・パルミラ遺跡) 11◆エジプト(カイロ・アスワン・アブシンベル) 12◆モロッコ(マラケシュ) 13◆南アフリカ(ヨハネスブルク・ケープタウン) 14◆ナミビア(ウィントフック・ナミブ砂漠・スワコプムント) 15◆ジンバブエ(ヴィクトリアフォールズ) 16◆ザンビア(側のヴィクトリアフォールズ) 17◆ボツワナ(チョベ国立公園) 18◆香港・マカオ 19◆インド 20◆フィリピン留学記 21◆インドネシア・スラウェシ島・マナド10泊旅行 ★惚れ惚れするほどの駄作 ☆私の読書累計 ☆私的10点満点 ☆装丁がスバラシイ本 ■09年11月からの世界一周の小ネタ ■09年11月から世界一周! ■09年11月から世界一周!の準備 ■09年11月から世界一周!の近況 ■09年11月から世界一周!参考書籍 ■2006年夏・ケニアに行く ■2007年夏・アンコール遺跡に行く ■2008年1月・ボルネオ島に行く ■2008年4月・週末海外でベトナム ■2008年9月・週末海外で台湾 ■アフリカ □グインサーガ □三国志 ▲スティーヴン・キング ▲ドン・ウィンズロウ ▲京極夏彦 ▲佐藤賢一 ▲北方謙三 ▲夢枕獏 ▲大沢在昌 ▲天童荒太 ▲宮部みゆき ▲浅田次郎 ▲熊谷達也 ▲真保裕一 ▲神林長平 ▲福井晴敏 ▲船戸与一 ▲貴志祐介 ▲逢坂剛 ▲金庸 ▲隆慶一郎 △サイモン・シン/青木薫訳 △下川裕治 △堀田あきお&かよ △宮田珠己 △木村元彦 △松本仁一 △橘玲 △石井光太 △船尾修 △蔵前仁一 △高木徹 △高野秀行 ◆小説・ミステリ系統 ◆小説・伝奇小説 ◆小説・冒険小説 ◆小説・時代小説・歴史小説 ◆小説・武侠小説 ◆小説・純文学・青春小説 ◆小説・経済小説・現代小説 ◆小説・SFホラーファンタジー ◇いわゆる新書 ◇イスラーム他、宗教 ◇エッセイ・紀行文 ◇ガイドブック ◇スポーツ関連書 ◇テクノロジー ◇データブック・記録集 ◇ノンフィクション ◇パソコン関連図書 ◇ビジネス書 ◇ルポ・ドキュメンタリー ◇世界についての本 ◇国際政治・地政学 ◇実用書・ガイドブック ◇歴史 ◇科学 ◇臓器移植・臓器売買・人身売買 ◇語学などの勉強本 ◇雑学・蘊蓄 ◎写真集 ◎美術書・アートブック ●海外作品(原著英語) ●海外作品(原著非英語) アニメ・コミック 携帯・デジカメ 旅行・地域 日記・コラム・つぶやき 映画・テレビ 時事
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